経営戦略⑱

本日は、ビジョンが経営には重要だと言う事をあらためて考える内容になります。

先日、ある社長さんとご一緒しました。
 
その社長さんがおっしゃるには、「ビジョンはないんだよ。どう売るか?何をどのように売るか?を考える事で精いっぱいだよ。」との事でした。
 
確かに日々やらなければならない事は、「売る」という事です。
 
よ~く話を聞いていると、「やれる事はなんでもやる。実際なんでもやってきた。」とおっしゃっていましたが、すごい行動力だと思いました。
 
しかしその分、体に負担がかかり、以前入院した事があるそうです。社長さんがいなければ会社は売上を上げられない構造にもなっていたようです。無理して営業に出る毎日だったそうです。
 
やはり・・・戦略的に行動するべきだと思います。会社も戦略的に構築するべきだと。
 
この社長さんは戦術実行力には長けていたんでしょうね。そして何より自ら動く事を実践されていました。(もう少し分担できると良いのでしょうね)
 
しかし、「ビジョンは?」の質問に対しては急に歯切れが悪くなっていました。従業員から様々なアイデアが出てくるようですので、会社の雰囲気は良いと思いますし、社長さんの従業員を思う気持ちもお話を聞いていて伝わってきました。
 
普通の会社は指示待ち社員ばかりの中、率先して意見を言える良い風土と言えます。またどんなに忙しくても仕事への前向きなところが従業員にはありますので、会社が伸びて行く土壌があると思います。
 
私はその社長さんに「もったいない!!」と言いました。会社にポテンシャルがあるのだから、もっと戦略的に会社を運営するべきだと。
 
その会社が提供する価値を掘り下げれば、もっと良い商材もあるでしょうし、何より従業員のモチベーションが高い事は好材料です。どの市場にうって出るかで現在とは違った未来が訪れると私は確信しました。
 
今後もこの社長さんとは議論を重ね、ビジョンを作成していきたいと思います。
 
大事な事は、社長さんが気付くという事です。
 
「行き先のわからない船はいつかは燃料が尽きるという事を。」

「最初はミステリーツアー的で大変興味深いので良いですが、それらに飽きたり、不安を覚えたりすると次第に乗客や乗務員が減って行く事を」

乗客はお客様の事です。このような運営を続けていくと確実に価格競争に巻き込まれそうです。

それは乗務員(社員)にとっても大変つらいものです。

早く、ビジョンを乗務員と描き、なぜ当社の船に乗る事に価値があるのかを乗客にお伝えしていきたいものです。