「報連相」はもともと持っていた能力です

少年サッカーの指導の中でもそうであるし、自分の子育ての中でも感じる事ですが、もともと我々は「報告・連絡・相談」をする能力を持っていたと思うんです。

それもかなり高いレベルでです。

小さい頃、我々は地域のおじさんやおばさんとの交流が多くありました。そして会話の中で、最近会った出来事、まさに今日の出来事などを話していました。

おそらくほとんどの場合、自分はこう思ったと話をしていました。

「今日○○君と喧嘩したの」

「あら~それは大変だったね~」

「先生が来て、喧嘩が終わったの」

「それで」

「それでね、仲直りしたの。やっぱり仲直りした方がいいね~」

「それで」

「今日これから○○君のうちでファミコンするんだよ」

このように話が展開された場合、近所のおばさんの傾聴のスキルが高ければ、もっと多くの事を引き出す事が可能だったと思います。

「それで」とせずに、「先生は怒ったの?」「よく喧嘩が終わったね~」「仲直りしたんだ~」と相手が話した言葉をバックトラックするともっと話がはずんだはずです。

少なくとも、幼い頃に「自己重要感」をのコップはかなりカラカラとなっています。

まわりから満たして欲しいと思う事の方が多いのです。

ですから、誉めて伸ばすなんて事が有用だと言われているのです。

(※ただ誉めればいいのではないんですよ。意識の5段階に注意して適切にタイミングを見て、ストロークを与える事が大切なんです。)

その為の「報告・連絡・相談」なのです。

自分に興味を持ってもらいたい。

誉めてもらいたい。

認めてもらいたい。

そう潜在的に思っているからこその行動となっています。

ではなぜ成長とともにその行動は影をひそめてしまうのでしょうか?

成長段階のどこかで、報告・連絡・相談をしなくなる年代があります。

そうです「反抗期」「思春期」を経る段階で、多くの方々が「報連相」レベルが低下してしまいます。

その時期に適切なストロークも受けなくなると、そのまま成長し、本来すばらしい「報連相」が出来ていたものを自ら無くしてしまっているのです。

ですから、「報連相」に課題を持っている社会人は過去を振り返ると、適切なストロークを受けていない事が多く、社会での適用が難しくなっているのです。

では、克服する為にはどうするか?

青年期に対する周囲のアプローチは重要な要素となりますが、社会に出てからは本人だけではなかなか課題を解決するのは難しいと思われます。

それは、ストロークや自己重要感と密接な関係があるからです。

ビジネス上での解決の道筋としては上司や同僚にも協力してもらい、グループで「報連相」レベルを高めていく取り組みが重要です。

そういった環境作りが恒常的に「報連相」レベルを上げていく素地となる事でしょう。

上司が部下に一方的に「報連相」に課題がある、改善するように!!と言うだけで改善する事がほとんどないのは、個人の能力だからと思いこみ過ぎているからです

個人の能力に変わりがないのですが、自助努力だけで向上するものではない事を上司や周囲の方がわかっていない事が、ますます成長を阻害してしまっているのです。

もともと持っていた能力のはずですから、うまい切欠があれば覚醒するんだと思いますよ