組織風土の特徴を掴む その79

「対応力を高めて行く為には、チームワークを良くしていかなければいけないと思います」

こちらも良く聞くお話です。

職場全体でチームワークを良くして行く事は、なるほど全体の対応力を高めてくれます。

これは間違いではなさそうです。

では、チームワークを良くする為にはどうしたら良いのでしょうか?

「お互いの事をもっと知る」

「チームワークの言葉の意味を確認する話し合いが必要」

「おもいやりをもっと持つ」

ではそれらを達成する為に何をすれば良いのか?

話し合いを進めていくと、

「食事会を企画する」

「懇親旅行に行く」

などの意見が出てきます。

ところが、すでに社内には親睦会があり、食事会があったり、懇親旅行があったりするんですね。

と言う事は、これらの施策を行ってもチームワークは良くならない訳です。

ここで、誰も口を開けなくなります。

これはこれで仕方がありません。大変頭が疲れる話し合いなんですから・・・。

この話し合いは無駄だったのでしょうか?

チームワークを良くする具体的な方法を考えるには至りませんでしたので、得るものは無かった様に思えます。

しかし、得るものはおおいにあったんですね。

それは、同じ土俵で、しっかりと向き合い、活発に意見交換した事による「チーム体験」を得た事になります。

私はチームワークを良くするには様々な要素があると思いますが、「同じ課題に向き合い、それに対し、どうすれば良いかを検討する」事が必要だと思っています。

特に課題が「チームワークを良くする」といったテーマだった場合は、チームワークが高まらない本当の理由を従業員側でわかっている事が多いんです。

ミーティングを進めていくうちに、本音でボトルネックとなっているであろう事象を話してくれる方が出てきます。

それによりまた話し合いが進んでいくのです。

ただし、すぐには腹は割れませんから、回数を重ねる事はとても大事になって来ます。

上記の話し合いの結論としては、話し合いの出来る雰囲気作りからスタートする事にしたのです。

価値感を共有する時間を持つようにしたようです。