組織風土の特徴を掴む その90

少々乱暴な言い方をすれば、居心地は提供されるものでは無いとも言えます。

居心地は感じるものであって、会社が用意してくれるものと錯覚してしまうのです。

もちろん、従業員の意見により、「ミーティングルームはもっと発想しやすい空間にするべきだ」「ミーティングの飲み物はスタバのコーヒーが良い」などの意見を取り入れることはあります。

しかし、この意見を採用する基準はどこにあるのでしょうか?

居心地を決める基準と全く同じですが、会社のビジョンや理念にしかないんです。

つまり、基準はビジョンに照らし合わせて判断されるという事です

ミーティングを会社運営上の柱に据えて積極的に展開している会社であれば、上記の要望を受け入れてくれるでしょう。

そうではない会社は上記の意見に対して費用対効果はどうとかこうとか始まってしまいます。

この場合は、会社の方針としてミーティングは運営上の優先順位の上位にありませんので、採用されるのは難しくなってしまうと思います。

そういった意味でも会社は一貫性をまじめに貫いていると言えるのかもしれませんね。

一方、上司が「みんなの意見で会社を良くしていきたい」と発言したとします。

ここで大事なのは、本気度です。

本来、軽はずみにこういった類の発言はするべきではありません。

「みんなの意見で会社を良くしていきたい」に本気で取り組むのであれば、まず適切な方に会社に在籍していただき、意見を収集、採用する仕組みを少しづつ形成するべきです。

そしてやり続けるのです。

中小企業はPDCAサイクルをうまく回せないので、うまく行かないとやめてしまう事の方が圧倒的多数です。

しかし、会社は社員の意見で会社を良くしたいと本気で思っているのなら、途中でやめる事は絶対にダメです。

やり方を変えながらでも、続けていく意思がなければ、軽はずみな発言はするべきではありません。

適切な人も失望し、退職していってしまう事のリスクもはらんでいます。

会社が本気になれば、率先して協力してくれる大事な社員を自ら手放す事の無いように慎重に行うべきです。

最後に、社員の意見で会社を良くして行こうと行動を始めた時に、なかなかうまくいかない場合(ほとんどは発言者の自分最適に進行を邪魔されます)は適切な方が会社にいない状態とも言えます。

しかし徐々に浸透していき、経営トップの意向を理解し、自分事として、規律を保てる従業員が増えてくるまで続ける必要があります。

それは大変な道かもしれませんが、行うべき事だと感じています。