組織風土の特徴を掴む その116

各個人の課題設定は意外に難しいと思います。

つまりその方にとって何が課題なのか?を理解する必要があるからです。

自分の事ってわかっていない事が多いと思います。

例えば、「なんだかあの人とは合わないな~」と思っているとします。

原因は一見相手にあるように思うのですが、自分以外の方はうまくお付き合いしているのです。

そうなると、あなたにも何か原因がありそうです。

しかし、通常ここまで考えられません。

この前の段階で相手が悪いと決めつけてしまうからです。

実はあなたの「何か」に相手が違和感を感じているので、相手があなたを避けている可能性もあるのです。

矢印が自分に向いていないと、原因を考える事自体がとても難しい事です。

また、「あなたの課題は何ですか?」と質問したとします。

「色々とあります」とお答えいただきますが、どれも改善しようと思っていない事ばかりです。

1年後に聞いても同じ課題をおっしゃるんですから、そうだと思います。

例えば、「コミュニケーション能力に課題があると思います」「ある作業がうまくこなせるようにしたいです」「パソコン入力です」・・・。

これらを毎年のように課題として設定しますが、一向に改善したと本人が思えていないのです。

少々厳しい言い方をすれば、改善する意欲が無いという事です。

また言い換えるとするならば、ゴールイメージが設定出来ていないとも言えます。

なりたい姿と現実とのギャップがあれば、そこを埋める努力が見えてくる事があります。

例えば少年サッカー選手で示しますと、

「プロサッカー選手になりたいよ」

「その為にはどうすればいいの?」

「もっとうまくなりたい」

「具体的に言ってよ。何をどのくらいうまくなるの?」

「シュートを正確に決めたい」

「どうすればそうなれるかな?」

「う~ん・・・毎日ボールに触る」

「じゃあ今まで毎日ボールを触っていなかったんだね」

「うん、そうだよ!」

「じゃあまず出来る事から始めよう。【毎日ボールを触る事】これが君の改善課題だね」

といった様に理想とする姿を実現する為にそのギャップを埋める課題が設定出来るのです。

サッカーの場合はトレーニングという場があるので、そこに向かう道筋が見えやすいですが、仕事は毎回が試合のようなものですから、なかなかそのようには出来ないかもしれません。

しかし、どうなりたいか?は考える事が出来ますし、それを実現する為の方法も実は考える事が出来るのです。

「改善する?毎日忙しいのにどこにそんな時間があるんですか!!」

良く聞く言葉です。

今日のお話で言えば、この方の課題は【時間を生み出す事】なんですね。